下関法人会 中東支部総会研修会 卓話 11/24
『維新の街づくり』
本年NHK連続ドラマで「ゲゲゲの女房」「龍馬伝」が放映されています。
ご案内のように境港市は青物の水揚げ基地としても有名ですが、何といっても『ゲゲゲの鬼太郎』妖怪をテーマにした街興しが注目を浴びています。
地方都市において≪地域の活性化≫は至上命題ですが、決定的な成果を挙げることは至難の課題でもあります。
昨年、所属会派 関政クラブで「≪幕末維新村構想≫を切り口に市民懇談会」を持ちました。龍馬伝でも取り上げられるであろう 『穴戸 稲荷町』周辺で同構想をテーマに街興しを! が狙いでした。下関市も遅まきながら昨年来、古城春樹学芸員の著作発刊を契機に 龍馬と縁の深い 伊藤九三、三吉慎蔵、印藤肇 末裔の皆様のクローズアップを図るとともに、維新発祥の地 下関 を下関市民にアピールしてまいりました。
昨年12月議会一般質問で 萩市教育課程において「松陰読本」通読を続けていることを挙げ、本市においても郷土出身傑物の志と偉業に触れる機会を与えることが将来 故郷に誇りを持つこと、功成り名を遂げた後は郷土の為に尽くすこと、即ち郷土愛を涵養することにならないか の趣旨で提案を致しました
現在、長府地区において 博物館建設に向けての作業が進められております。
旧長府藩士 桂弥一翁は、吉田松陰の意志を受け、門下生品川弥二郎が京都に尊攘堂を設立。その品川弥二郎の「長門にも尊攘堂を」という意思を受け継ぎ建設された建物が現長府博物館です。その機能を補完し、研究機能強化や維新に奔走した志士縁の遺品などが更に寄託されるに足る環境整備の為必要と考えています。前出の 古城春樹学芸員に続き 若手田中洋一学芸員も活躍中で、今後更にこの分野でも人材を輩出していくことが肝要と考えています。
先日、商工会議所130周年記念講演で 西川りゅうじん氏(NHK大河ドラマ『龍馬伝』を契機とした高知県「土佐・龍馬であい博」総合プロチデューサー)が、『下関≪地域イキイキ』計画』と題し講演。全国的に人口減少が進むが、お一人減ずるごとに年間121万円の消費が減少する。人口一人当たりの年間消費額は、日帰り観光客なら77人、宿泊観光客なら22人、外国人観光客なら7人に匹敵する。ゲゲゲの女房の境港市(妖怪街興し)、秋田県 うご町・岩手県 くじ市等の挑戦を事例に挙げながら、『テーマに基づいた街づくり』『歴女、佛女・・常識を超えた女性の挑戦』『外国映画のロケ誘致』等の効用について話された。
下関市は数々のテーマを設定できる、固有の歴史に富んだ街です。観光の切り口だけでも 源平・武蔵・維新の三本柱が先ず考えられます。その中で、私は維新に注目しています。従来『下関市は歴史の転換点、①公家社会から武家社会へ(源平船合戦)、②武家社会終焉(明治維新)に登場しますが、舞台にはなりましたが主役はよそからやって来る』と云われてきました。今回の龍馬伝放映に合わせ明らかに変化の兆しが現れました。長府博物館では維新に貢献した士族ばかりでなく今後町人にも目を向けていきたいとしていますし、維新回転から145年(本年は桜山招魂社創建145年)にも満たず、先人の末裔や当時の道筋、遺跡等にも身近に接することが出来ます。特に文久三年5月10日関門海峡航行中の米国船砲撃以降、慶応三年高杉が病に龍馬が凶刃に倒れるまで様々な縁の地が残っています。
参考資料として長崎市の『龍馬伝』放映による経済波及効果試算資料をおつけしました。郷土に誇りを持ち郷土発展に尽力する後進の育成と経済活動を支えるインフラ整備の一環として『維新をテーマにした街興し』を提案する次第です。
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